仕事用の書類や在庫をトランクルームに保管している場合、その費用は経費として計上できるのか気になるところ。結論から言うと、事業に関連する利用であれば経費計上が可能だ。
ただし、勘定科目の選び方や家事按分のルール、証拠書類の保管など、押さえておくべきポイントがいくつかある。この記事では、トランクルーム費用の経費計上について、個人事業主・法人別にわかりやすく解説していく。

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トランクルーム費用を経費計上できる条件
トランクルームの利用料金を経費として計上するための基本条件は事業に関連した利用であることだ。具体的には以下のようなケースが該当する。
- 事業用の書類・帳簿の保管
- 商品在庫や仕入れ品の保管
- 業務用の機材・備品の一時保管
- リフォーム中や事務所移転時の荷物保管
- 季節商品や販促物の保管
逆に、完全にプライベートな荷物(趣味のコレクション・私物の衣類など)だけを保管している場合は、事業経費としては認められない。
事業利用である証拠を残すことが重要。契約書・領収書・利用目的の記録は確実に保管しておこう。
使える勘定科目はどれ?
トランクルーム費用に使える勘定科目は複数あり、利用形態や会計方針によって使い分ける。一般的には「地代家賃」が最もよく使われる。
地代家賃
トランクルームを継続的に借りている場合に適した勘定科目。スペースを賃貸借契約で借りているケースでは、地代家賃が自然な選択だ。月極めのレンタル収納スペースはほぼこれに該当する。
賃借料(支払賃借料)
短期的な利用や、一時的にスペースを借りる場合に使われることがある。地代家賃との使い分けは厳密なルールがないため、社内で統一して使えば問題ない。
保管料(倉庫料)
寄託契約型のトランクルームや宅配型サービス(minikura・サマリーポケットなど)を利用している場合、「保管料」として計上するのが適切なケースもある。荷物を「預けている」という性質が強い場合に使おう。
荷造運賃
宅配型サービスの取り出し送料や搬入費用は「荷造運賃」で処理できる。月額保管料とは分けて計上するのが一般的だ。
雑費
金額が少額で、他の勘定科目に当てはまりにくい場合は雑費で処理することも可能。ただし、雑費が膨らむと税務調査で指摘される可能性があるため、できるだけ適切な科目を選ぼう。
勘定科目の選び方のコツ
・賃貸借契約→地代家賃
・寄託契約(宅配型含む)→保管料
・短期・一時的→賃借料
一度決めた科目は継続して使うこと(継続性の原則)。

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個人事業主の場合|家事按分のルール
個人事業主がトランクルームを事業用とプライベート用の両方で使っている場合、家事按分が必要になる。
家事按分とは、事業用と私用の割合を合理的に算出して、事業用分だけを経費に計上する方法だ。
按分の基準例
- スペースの使用割合:トランクルーム内で事業用の荷物が占める面積の割合
- 収納物の個数比:事業用の箱が全体の何割かで按分
- 利用頻度:事業目的での出し入れ回数の割合
例えば、トランクルーム内の荷物のうち70%が事業用、30%がプライベートなら、月額料金の70%を経費として計上できる計算になる。
按分の根拠は合理的に説明できるようにしておくこと。税務調査で聞かれた場合に「なぜこの割合にしたか」を説明できないと否認される可能性がある。
法人の場合の経費計上
法人がトランクルームを利用する場合、事業用であれば全額を経費として計上できる。個人事業主のような家事按分は基本的に不要だ。
ただし、代表者個人の私物を法人契約のトランクルームに保管している場合は、その分を役員への経済的利益(現物給与)として扱う必要が出てくる可能性がある。法人契約でも、保管物が事業に関連するものであることを明確にしておこう。
法人でよく使われる勘定科目
- 地代家賃:継続的な利用の場合
- 保管料:商品在庫や書類の保管がメインの場合
- 外注費:保管・管理を業者に委託している側面が強い場合
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仕訳の具体例
例1:月額5,000円のトランクルームを事業用に借りている場合(個人事業主・100%事業用)
借方:地代家賃 5,000円 / 貸方:普通預金 5,000円
例2:月額8,000円のトランクルーム、事業用70%・私用30%の場合
借方:地代家賃 5,600円 / 貸方:普通預金 8,000円
借方:事業主貸 2,400円
例3:宅配型サービスの月額保管料440円+取り出し送料1,100円の場合
保管料支払時:借方:保管料 440円 / 貸方:クレジットカード 440円
取り出し送料支払時:借方:荷造運賃 1,100円 / 貸方:クレジットカード 1,100円

経費計上の際の注意点
1. 証拠書類を保管する
領収書・請求書・契約書はきちんと保管しておくこと。個人事業主の場合は5年間(青色申告は7年間)、法人は7年間の保存義務がある。クレジットカード払いの場合は、利用明細も保存しておこう。
2. 利用目的を明確にする
トランクルームに何を保管しているか、どのような事業目的で使用しているかを記録しておくと安心。税務調査で確認されることがあるため、契約書や利用記録を整理しておこう。
3. 勘定科目の継続性
一度使い始めた勘定科目は、理由なく変更しないのが原則(継続性の原則)。「今月は地代家賃、来月は保管料」のように変えると、税務処理が不透明になる。
4. 消費税の取り扱い
トランクルームの利用料は課税対象なので、消費税の仕入税額控除の対象になる。課税事業者の場合は、インボイス制度に対応した請求書を受け取っているか確認しておこう。
個人事業主が自宅兼事務所のようにプライベートと事業を混在させて使う場合は、按分の根拠を具体的に残しておくことが重要。税理士への相談もおすすめ。
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Q&A|トランクルーム経費のよくある質問
Q. 初期費用(事務手数料・鍵代)も経費にできる?
事業用のトランクルームであれば、初期費用も経費計上が可能。勘定科目は「支払手数料」や「地代家賃」(礼金的な性質のもの)で処理するのが一般的だ。
Q. 解約違約金は経費になる?
事業用トランクルームの解約に伴う違約金は、「雑損失」や「支払損害金」として経費計上できるケースが多い。ただし、金額が大きい場合は税理士に相談することをおすすめする。
Q. 確定申告での記載方法は?
青色申告の場合は、青色申告決算書の「地代家賃の内訳」欄にトランクルームの情報を記載する。白色申告の場合は収支内訳書に計上する。
Q. 副業でネットショップをやっている場合は?
副業であっても事業所得として申告している場合は経費計上が可能。商品在庫の保管にトランクルームを使っているなら、保管料として処理できる。ただし、雑所得として申告している場合は経費の範囲が限定されるので注意しよう。
トランクルーム経費でよくある失敗と対策
失敗1:プライベート利用分まで全額計上してしまった
事業用とプライベートの荷物が混在しているのに全額を経費にしてしまうと、税務調査で否認される可能性がある。必ず家事按分を行い、事業用の割合分だけを計上すること。按分の根拠(スペースの使用割合や荷物の数量比)も記録しておこう。
失敗2:領収書を保管していなかった
クレジットカードの自動引き落としだからと安心して領収書を保管していないケースがある。カード明細だけでは経費の内容が不明確になるため、トランクルーム事業者からの請求書や領収書は別途保管しておこう。PDFで届く場合はデータとしても保存しておくのがおすすめだ。
失敗3:勘定科目をコロコロ変えてしまった
ある月は「地代家賃」、別の月は「雑費」と処理すると、税務署から指摘される可能性がある。勘定科目は最初に決めたものを継続して使うのが原則。変更する場合は合理的な理由が必要だ。
経費計上は「正しくやれば節税に」「間違えると追徴課税に」なる両刃の剣。不安な場合は税理士に相談しよう。初回相談は無料の税理士事務所も多い。
トランクルームの経費計上に関する税理士のアドバイス
経費計上で迷ったときは、以下のポイントを意識しよう。
- 事業との関連性を明確にする:なぜトランクルームが事業に必要なのか、説明できるようにしておく
- 按分の根拠を記録する:写真や図面で事業用スペースの割合を可視化しておくと安心
- 契約書に事業用途を明記する:可能であれば、事業名義で契約する
- 定期的に記録を更新する:保管物の内容が変わった場合は按分割合も見直す

個人事業主と法人で異なる経費計上のポイント
個人事業主の場合は家事按分が最大の論点になるのに対し、法人の場合は「事業用であること」さえ明確なら全額経費にできる。ただし、法人でも代表者の私物を保管していると「役員賞与」とみなされるリスクがあるので、保管物の記録は必須だ。
また、消費税のインボイス制度にも注意が必要。適格請求書発行事業者のトランクルーム業者を選べば、仕入税額控除が適用できる。契約前にインボイス対応の有無を確認しておくと安心だ。
まとめ|事業利用なら経費にできる。ルールを守って賢く節税しよう
トランクルームの費用は、事業に関連する利用であれば経費として計上できる。勘定科目は「地代家賃」「保管料」「賃借料」などから適切なものを選び、一度決めたら継続して使うのがポイントだ。
個人事業主の場合は家事按分のルールを守り、法人の場合は保管物が事業用であることを明確にしておこう。証拠書類の保管も忘れずに。不安な場合は税理士に相談するのがおすすめだ。
外部参考リンク:マネーフォワード|レンタル倉庫やトランクルームの仕訳に使える勘定科目 国税庁|やさしい必要経費の知識

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